tabeteneruのブログ

雑多なことをざっくざっく

『俺はまだ本気出してないだけ』観てきました

ダメなオヤジ大黒シズオ(42)が会社を辞めて一念発起、

マンガ家デビューを目指す!

自由奔放に生きるシズオの姿は次第に周囲にも影響を与え、

物語の歯車は回りだす(狂いだす?)

 

 

かなりざっくり言うと、こんな感じの作品。

 

原作はマンガ

ダメな男が主人公

 

このくらいの前情報で観に行ったのですが(予告が面白そうだったので)

堤真一さん演じるシズオのハマり具合に笑えるのはもちろんのこと、

かなりいろいろ凝縮された作品でした。

 

 

ちなみに原作は「このマンガがすごい!2009」にランキングされたようです。

 

 

タイトルの秀逸さもさることながら

そのダメっぷりを裏切らないシズオ。いやすごい。清々しくダメ道を歩んでます。

 

なんたって、朝っぱらからゲーム

夕ご飯の時も皆におかまいなしでゲーム

たまの息抜きくらいは必要だ、とまたゲーム

実父に注意されても今大事な試合だから、とまたまたゲーム

 

いやー、でも中学のときの自分を思い出して

ちょっと笑えなかったりして。。

 

だめっぷりに呆れ笑いつつ、

一方で、気づかされる。ちょっといいなと思っている自分に。

シズオはおそらくは誰もが持ってる怠惰な部分、本来的な欲望に忠実なんだと。

 

 

やりたいことと人生を生きるためにしないといけないこと

 

この両方を天秤にかけた時、どうしても生きるためにしないといけないことが

重くって、当たり前なことですがしたいことばかりができるはずがありません。

しかし、シズオ(42)はやりたいことの方が重いのです。

 

こういうことを、真顔で言えるのは若者の特権のような気もしますが

それをシズオ(42)がひょうひょうと言っているからドラマになる。

 

ただ、自分の状況を頭のどこかで理解しているから

大きく振舞いつつも、華美に自分を着飾ることはしないし

ふと、目の前が真っ暗になる感じがしたり現実逃避したりする。

 

一端のプライドもあるから、

こんな自分を許してくれる場所をしっかり確保していたりする。

 

こういう、言動の割に消極的な側面がずるい感じもしたけど

人間やってるなあ、という感じの方が前に出てて、

表面的なところと内面的なところをまるっと見せてくれて

なんか嫌いになれないシズオ(42)。

 

さらに内面的なところでいうと、

シズオの夢の中で、いつかのシズオたちがやいやい出てきて

思い思いの言葉を投げかけるんですが、あれは堤真一の演技含め

とても好きなシーンでした。各世代の情緒をがっちり捕えてるんだよね。

 

そして、何といっても生瀬勝久さん演じる宮田修。

幼馴染の宮田はサラリーマンをしていて、ぷらぷらしてるシズオに呆れ気味。

ただ一方で、やりたい事をやってるシズオにうらやましさも感じている。

 

この、宮田の哀愁のある姿が何度となく物語を引き締めていました。

シズオの自由の陰で、人生を生きるというのはやっぱり簡単じゃないんだぞ

と、宮田を中心に登場人物たちが伝えているような気がして

うまくひき立てていました。

 

 

まあなんやかんやと書きましたが、

純粋に楽しめる映画ですし、笑いに映画館に行ってみてはいかがでしょうか。

 

ちなみに監督・脚本は福田雄一です。

『勇者ヨシヒコと悪霊のカギ』などを手掛けた人ですね。そのあたりのテイストも存分に入っているので、上記作品を好きな方は特におすすめです。

 

  公式HP http://www.oremada.jp/#

 

 

原作も読んでみます。

 

ばいちゃ